受入れ企業の声
当組合を通して外国人実習生を受入れられた企業様へのインタビューです。
株式会社 久留米鉄工 野田 社長
実習生の受⼊れ事業を始めようと思われた
経緯・きっかけについて教えてください。
1980年の後半、地元の中学校に行く機会があり、それまでとは違い生徒数が激減していることに大変驚きました。当時ベテラン(高齢)の技術者が多かったこともあり、「将来、日本人の働き手が少なくなる。外国人と一緒に働く日が当たり前になる」と痛感したのが、受入れを考え始めたきっかけです。
実習生の受入れに対して不安はありませんでしたか?
日本人雇用が当たり前と言った枠を取り払い、外国人を理解するために始めた事業なので、その決意の方が強く不安はあまり無かったです。言葉については、カタコトの日本語といった感じですが、実習生も我々も直ぐに慣れました。
実習生の最初の仕事を教えてください。
最初は溶接です。実習中は日本人と変わらず指導しており、日本人同様成長してくれます。私たちの技術は、一人前になるまで約5年かかるのですが、3年で帰る実習生にはあと少し..との思いも残ります。
実習生の仕事・生活の様子はどうですか?
真面目に頑張ってくれています。個人差はありますが、それは日本人も同じですね。ただ、日本人には真似できない強さを彼らは持ち備えています。3~4ヶ月、日本語学校で勉強し母国を離れて働けるのがすごいと思います。だからこそ、応援したいといった「親心」が芽生えます。
問題があるとしたら、今のネット社会でしょうか。様々な情報に惑わされて、良くも悪くも実習生への影響があるように思います。発展途上にある国からの受け入れということで、母国へ貢献するのが目的なのですが、その目的を見失う子もいます。しかしそれは、外国人という事が原因なのではなく、日本人も同じですよね。良い人、真面目な人は外国にも沢山います。
また、彼らは私たちの心配をよそに、順応するのが早いです。給料や待遇面でもしっかり意見を言いますし、社内でも何ら日本人と変わらず接することが出来ています。
受け入れで気をつけていること
最初の選考時の基準は特にありませんが、この方にお願いしようと決めた際には、現地でご家族と面談するようにしています。ベトナムなどでは、面談会場から遠く離れた距離でも、ご家族が会いにきてくれます。そんな様子を見て「子供さん達を預かる」ことへの責任・覚悟も高まり、日本にいる3〜5年間、しっかり技術を身につけ健康のまま帰すことが私の務めなのだと、常に意識しています。
受け入れを検討している企業の方へ
最初は抵抗があるかもしれませんが、やはり母国を離れて頑張っている姿を見ると愛情も湧き、家族のような存在になってきます。国の制度なので様々な制約・ルールがありますが、その中でやれることを精一杯やるだけだと、私は考えています。